議事録とは、会議内容の記録です。議事録に記載する事項としては、会議などが開催された日時、場所、出席者、議事の内容などが挙げられます。議事録を作成することによって、会議の内容についての備忘録(メモ)として役立つほか、会議に出席していない人が会議の内容を知る手段にもなります。
また、決議した事項を明確にしたり、決議自体が適正な手続きを経て行われたことを証明したりする機能も持ち合わせています。議事録には、株主総会や取締役会の議事録のように法律で定められたものから、打ち合わせ内容の簡単なメモまで様々なタイプのものがあります。
記載する内容も、目的によって異なるため、決定事項だけを記録することもあれば、参加者の発言を細かく記録することもあります。なお、会議録という言葉もありますが、意味は同じものと考えて差し支えありません。
議事録は、主に以下のような目的で作成されます。
(1)会議の参加者間での内容確認
口頭で行われる会議は、受け取り方や解釈によって参加者間で認識の違いが生じる可能性があります。また、時間が経ってから、「言った、言わない」という論争が生じる可能性もあります。そこで、会議の内容を文字で記録に残すことにより、認識違いや論争を防止するという目的があります。
なお、文字に起こした段階では、まだ認識の違いなどが含まれている可能性があるため、議事録案を参加者間で回覧してから最終の議事録を確定させることもあります。
(2)会議後のアクションの促進
問題解決を目的とした会議の場合、その解決に向けたアクションにつなげることが重要となります。議事録を作成することによって、会議で決めた決定事項が文字として視覚化されるため、その実行を促進することが期待されます。
(3)決定事項の明確化
会議での決定事項によって権限や責任など一定の効力が発生する場合には、議事録がその効力に対する根拠資料となることがあります。
特に、株主総会や取締役会など重要事項を決定する会議では、決議によって権利や義務などの法的な効力が発生することがあるため、議事録が重要な意味を持ちます。
(4)会議不参加者への会議内容の共有
会議の内容は、参加者だけでなく、欠席者にとっても重要な情報となります。議事録があれば、欠席した会議の内容を確認することができ、情報共有が容易になります。また、株主総会や取締役会などのように、第三者に議事録を開示することを目的に作成している場合もあります。
議事録に記載する主な項目は以下の通りです。会議の目的に応じて選択しましょう。
・会議の名称やテーマ
・開催した日付、開始時刻と終了時刻
・開催した場所(会議室名など)
・参加者の名前、人数など
・会議の目的、趣旨
・討議事項、会議記録(発言者と発言内容)
・決定事項、アクションすべき事項
・懸案事項、保留事項
・次回の会議の日程など
・補足事項
よく開催される会議の場合には、議事録のフォーマットを決めておくことで、どこに何が書かれているかすぐにわかるので、議事録の視認性が向上するというメリットがあります。
会社などで所定のフォーマットを決めている場合もあるので、はじめて議事録を作成する際には、必ず前任者などにフォーマットの有無を確認しましょう。特に、株主総会や取締役会、経営会議などでは厳格に書式が決められていることが多いので、それに従う必要があります。
議事録のルールは、所属する会社や組織によって独自に決めている場合が多くあります。会議が終わってからでは手直しすることが難しいケースも考えられますので、事前に確認しておきましょう。
議事録を作成するためには、会議の内容や参加者の発言をよく理解する必要があります。しかし、議論の中で出てくる専門用語や基礎となる知識が頭に入っていないと、発言内容を的確に理解できない可能性もあります。そのため、会議に先立って、それらの専門用語や知識を把握しておく必要があります。
会議の中で、発言内容をすべて筆記したり、記憶したりすることは難しいため、ICレコーダーなどの録音機器を利用して、後から文字起こしする方法もあります。ただし、会議によっては録音機器の使用がNGの場合がありますので、事前に確認した上で機器類の使用を検討しましょう。
会議中の会話は、誰がどの発言をしたのか、後から見てもわかりやすいように記載します。また、重要なポイントとなる会議の決定事項は、特に漏れがないように記録しましょう。
会議中に議事を記録していると、自分の知識不足により理解できない事項や、口頭では何となく意味が通じても文字にすると曖昧さが残る事項も出てきます。
「会議が終わってから確認しよう」と思って放置しておくと、後になってから疑問を解消できないケースも生じます。そのため、わからないことがあれば、会議の進行を妨げない程度に、その場で解決することが望ましいでしょう。
会議が終わってから議事録を作成するまでに時間があいてしまうと、記憶が曖昧になり、議事録が不完全なものになる可能性があります。
また、会議参加者の記憶も曖昧となり、議事の内容があやふやになる可能性もあります。そのため、会議が終了したら極力早く議事録を完成させ、会議参加者に確認してもらうことが重要です。
議事録は、情報が過不足なく記載されていて、後で読んだときに理解しやすいものでなければなりません。そのため、議事録を作成する際には、決定事項、議事、懸案事項などについて事実をわかりやすく記載することが大切です。
なお、ポスト・イット® 強粘着ノートを利用して会議をすれば、ホワイトボードに貼られた複数のポスト・イット® 強粘着ノートを「Post-it® Plus App」のアプリでスマートフォン(iOS 8.0以降(※3))に取り込むことが可能です。
並び替えやグループ化をして、Microsoft® PowerPoint® (※4) のフォーマットやスプレッドシートソフトウェアの Microsoft® Excel® (※5) にエクスポートすれば、議事録代わりとして利用できます。
議事録が完成しても、作成者の理解不足や認識違いなどが原因で、当日の議事内容と異なる内容になっている可能性もあります。そのため、作成した議事録は上司か責任者に確認してもらってから共有しましょう。
また、会議によっては、上司や責任者の確認だけでなく、会議参加者全員に回覧して確認してもらったり、署名押印してもらったりする場合もあります。
<参考文献>
会議・打ち合わせ研究会「図解&事例で学ぶ会議・打ち合わせの教科書」(マイナビ出版、2016年)
<商標について>
※2 App Storeは、Apple Inc.のサービスマークです。
※3 iOS商標は、米国Ciscoのライセンスに基づき使用されています。
※4※5 Microsoft、PowerPoint、Excel、は、米国Microsoft Corporationの、米国およびその他の国における登録商標または商標です。
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